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「刺激的な状況で覚えたことは、身体がしっかりと記憶するんだ」
その体勢のまま、向井の口が真歩の耳元に近づき、そう囁く。
し、刺激的な状況って…、な、なに!
この状況!?
向井の顔が近い!
耳に息が掛かる!
頭の中が一気にパニックする。
向井の身体が背中にぴったりとくっついて、体温を感じた。
何故か心臓がバクバクと音を立て始めて、やけに騒がしい。
心臓の音が向井に聞こえてしまいそうだし、掴まれた左手が熱を帯びていることにも気づかれそう。
「ま、ま、ま、待って」
「Rμv-1/2gμvR=8πGTμv/C4」
火照る耳が向井の発する音を意識する。
方程式・・・・?
相対性理論・・・・?
向井の囁いた数式が声と共に脳に響く。
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