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「で、どうだった?」
蕎麦を啜りながら薫が聞いてくる。
「うん、受け取ってくれたよ。でも」
「でも?」
「うーん、大丈夫なのかなぁ」
「何が?」
「藤堂さん、酷い怪我してた」
「え?太一顔見たの?」
「うん、蕎麦渡す時」
「まじか」
「なんか藤堂さん大変な思いしてんじゃないのかな」
「例えば?」
「例えば・・・・・・職場でイジメにあってるとか」
「い、イジメ?」
「それか借金取りに暴力振るわれてるとか」
「借金取りぃ!?」
「はたまた付き合ってる彼女がDV女とか」
「・・・・・・・・・・・・ぷ・・・・・・ぶぐふふぁ」
俺の真剣な推理に蕎麦を吹き出し大爆笑を始める薫。
「汚っ!なんだよもう!」
「わ、悪ぃ悪ぃぶふふふふ」
やっとのことで笑いを収めた薫はティッシュで口やらそこら辺を拭きながら俺の推理を潰していく。
「まず、藤堂さんは在宅ワークらしいから職場イジメは無いな。んで、借金取りならもっとドアとかに【借金返せ!】みたいな嫌がらせするもんじゃねぇの?あと、今のところ藤堂さんに女の気配は無い」
「女の気配って・・・薫、そんなのわかるの?」
「え・・・・・・太一わかんないの?」
どうやら俺は馬鹿にされたようだ。
だけど、俺だって過去に彼女の一人や二人・・・・・・
ごめんなさい見栄はりました。
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