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「この荷物、開けてもいいか?」
全ての室内を見終わって親友は一つの荷物が気になったらしい。
親友が指を指したのは、音成さんがくれた引っ越し挨拶の荷物。
「…いいよ。多分ビールだとおもうから置いてただけだし」
そうかと、包みをビリビリと破いていき、出てきた箱は使い古されたような箱が出てきた。
どう見ても新品のビールが入っている気がしない。
「開けるぞ?」
蓋を持ち、ゆっくりと開けたその中身に僕は驚いて親友は顔を歪める。
中に入っていたのは1体の日本人形だった。
ただの日本人形ならまだよかった。
着物は所々焼けて煤けているし、髪の毛はざんばらになっている。
その顔は何故かきれいなままで、隣に越してきた音成さんにそっくりだった。
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