第二章

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「この荷物、開けてもいいか?」 全ての室内を見終わって親友は一つの荷物が気になったらしい。 親友が指を指したのは、音成さんがくれた引っ越し挨拶の荷物。 「…いいよ。多分ビールだとおもうから置いてただけだし」 そうかと、包みをビリビリと破いていき、出てきた箱は使い古されたような箱が出てきた。 どう見ても新品のビールが入っている気がしない。 「開けるぞ?」 蓋を持ち、ゆっくりと開けたその中身に僕は驚いて親友は顔を歪める。 中に入っていたのは1体の日本人形だった。 ただの日本人形ならまだよかった。 着物は所々焼けて煤けているし、髪の毛はざんばらになっている。 その顔は何故かきれいなままで、隣に越してきた音成さんにそっくりだった。
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