第二章

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「……… これ、どこで?」 親友の顔が強ばっている。 きっと相当ヤバイ物らしい。僕は素直に隣の部屋の人にもらったと伝えた。 「…とりあえず、これ持って寺に行こう。 ここまで行ったら俺たちの手には負えないから」 慎重に蓋を閉めて親友が箱を持ち上げた時、 ズズズ ズズズッ 隣の部屋から音がした。 いつもの時間はとっくの昔に過ぎている。 「この音、隣の部屋か?」 「うん…。いつも9時に聞こえて来る音なんだけど…」 いつもと違う時間に鳴る音がより一層不気味だ。 二人して動きが固まってしまう。 逃げなくちゃと本能と動けない体のジレンマに、 「………」 冷や汗をたらしながら音に耳を向けてみる。
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