第二章

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何を引きずっているのか分からないけどとてつもなく嫌な予感だけが胸を占めている。 きっと親友も同じ気持ちだ。 「音が、近くなってる?」 引きずる音は止むことはなく、徐々に近づいてきているように感じた。 「とにかく逃げるぞ。 ここにいたらきっとヤバイ」 意を決して僕たちは玄関まで走っていく。 靴を急いで履き、ドアノブに手をかけた瞬間。 『ピンポーン』 インターホンが来客を告げる。 ………こんな時に誰だ?と思いながら、覗き穴を見てみる。 「ひっ!!」 慌てて覗き穴から目を反らす。 玄関の前に、音成さんがいた…。 しかも焼け焦げた着物を着て。 「何で…?なんで同じ着物着てるの………」 親友が持っている箱の中の人形と同じ姿をしている隣人。 着物は焼けただれ、髪はざんばら、顔は無表情の人形と全く同じもの…。
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