第二章

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『ピンポーン』 もう一度インターホンが来客を告げる。 出たくない…。出られない…。 「ドア開けよう…。 お前これ持って寺に駆け込め。 俺が足止めしてやる」 「何言ってんの?! どうなるかわからないのにッ!」 親友が僕に人形の入った箱を渡し、自分が囮になると言い出した。 そんなのを僕が承諾出来る訳がない。 出たら最後、嫌な予感は絶対に的中してしまう。 「じゃあどうするんだっ! これを手元に置いとくわけには行かないだろ!」 「……」 親友は怒鳴りながら、僕にそう言う。 前には出れない。 後出られると言ったら………。 「あっ……こっちッ!」 僕は親友の腕をつかみ、玄関と反対方向に走る。
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