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『ピンポーン』
もう一度インターホンが来客を告げる。
出たくない…。出られない…。
「ドア開けよう…。
お前これ持って寺に駆け込め。
俺が足止めしてやる」
「何言ってんの?!
どうなるかわからないのにッ!」
親友が僕に人形の入った箱を渡し、自分が囮になると言い出した。
そんなのを僕が承諾出来る訳がない。
出たら最後、嫌な予感は絶対に的中してしまう。
「じゃあどうするんだっ!
これを手元に置いとくわけには行かないだろ!」
「……」
親友は怒鳴りながら、僕にそう言う。
前には出れない。
後出られると言ったら………。
「あっ……こっちッ!」
僕は親友の腕をつかみ、玄関と反対方向に走る。
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