最終章

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「ええ。 もうずいぶん前の話だけどね。 まだ私の親がここの管理者をしている時に火事に見舞われてね。 無事だったこの部屋の一つ隣からこっちで経営していたときに一人だけ入って来たんだよ」 初めて知った。 ここの隣、まだあったんだと。 現在僕の部屋が角部屋になっていて、その隣に音成さんは越して来たんだと思っていたが、そうじゃなかった。 減築される前に入って来た人だった。 「でも、なんでその部屋までなくなったんですか?」 火事に見舞われたにしても、その隣の部屋は無事だったから残していたのにそれまでなくしている。 「……そこの部屋で殺されちゃったんだよ。 強姦に遭ってね。 気づいた時には首くくってた」
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