第1章

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「すいません、どちら様ですか?」 ドアを少しだけ開けて女性に尋ねる。 友人は俺の後ろに待機している状況だ。 女性は、静かな声で 「夜分遅くにすみません。 昨日から隣に越してきた音成(おとなり)と申します。 何度か尋ねたんですがお留守だったようだったので、この時間の挨拶に伺わせて頂きました」 どうやら引っ越しの挨拶に来てくれたらしい。 確かに、昨日今日と大学に行ってたためうちを留守にしていた。 隣に誰か越してきたのを初めて知ったのだ。 「すみません、つまらないものですが」 手に持っていたのは挨拶の品物だったらしく、それを僕に渡して失礼しますと部屋に帰っていった。
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