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「学園内に友達少ないやつだったからなぁ……情報を集めようがない。そうだ、ヤツはFBやってたな、何か書いてあるかも知れない」
「FBは、警察で調べているよ。手掛かりがあれば、私に連絡があるはずだ」
外に手はないかと目で問い賭けられ、何かを思いついたアキラが笑みを浮かべた。
「神崎さんが持ってきてくれたメモリスティックが役に立つかも知れません……」
「関連性のある人物が解るのか?」
「いえ、ブックマークから裏サイトを調べるんですよ」
「裏サイト?」
怪訝そうな顔の神崎に、アキラは頷く。
「来栖のマニアックな友人が管理するサイトで、表に出せないような作品を紹介したり売買したりするんです。ネットで石膏像制作者を捜すうちに、それらしいサイトがあると解って来栖から聞き出すつもりでした。生憎それが裏目に出てしまいましたが……早速調べてみます。篠宮、おまえパソコンあるだろう? ちょっと貸してもらえるかな」
「悪ぃ……先輩! 俺のパソコン、もうかなり前から壊れてるんだ。直せば使えると思うけど……」
「ええっ? また?」
遼は呆れて声を上げる。
どういう訳か優樹はパソコンが苦手で、いじると必ずと言っていいほど動作不良を起こしてしまうのだ。
バイクのメンテナンスや家電品のハード面の修理は得意だが、ソフトに関しては必要最低限の事しかやらないため、たぶんウイルスにでもやられたのだろう。
優樹の部屋を訪れるたびソフトを再インストールするのは、遼のお定まりの仕事となっていた。
「困ったな、修理してる時間なんてないぞ。仕方ない急いで寮に戻ろう、俺のPCはMacだがデータは読めるし……」
アキラが席を立ちかけると、思いついて優樹が呼び止める。
「そういえば事務室に、田村さんのパソコンが二台あった。片方は俺のと使い方が違うから多分マックだと思うけど、もう一台はウィンドウズマシンじゃないかな? このペンションのホームページを作ってるくらいだから通信速度も速いよ」
「そいつは好都合、貸してもらえるか聞いてみよう 」
アキラはそう言うと、神崎と顔を見合わせ頷いた。
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