11

4/6
前へ
/311ページ
次へ
「……今すぐってわけじゃないから。またその時に言うよ」 ポン…と頭の上に手をおく。 じんわりとした優しさが広がって、涙がでそうになるのを、必死に耐えた。 「……翔ちゃん、私はずっと翔ちゃんが好きだよ。……これから先も忘れない。……そんな私ごと好きになってくれたのが望くんなの。……これから先、望くんと一緒に歩んでいきたいと思ってるから………翔ちゃん、見守っててね」 二人で空を見上げる。 きっとこのどこかで、翔ちゃんは私達を見てる。 「……いこっか」 「もう、いいのか?」 「うん。……もういつでも来れるから」 前は、一年に一回しか来れなかった。 ここに立ってしまえば、見たくない現実を見て、勝手に時が進んでしまうから。 でも、今は違うって知っている。 「……ちゃんと亜依の想い、届いてるよ」
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

561人が本棚に入れています
本棚に追加