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ピンポーン
え?
僕はまさかと思い、恐る恐る玄関の覗き穴から外を見た。
そこには僕の嫌な予感通りにさっき隣から出てきたギャルが僕の家の前に立っていた。
ひぃ~っ!
何の用だよ…。
まさかさっき目が合ったから、「汚えツラで私を見んじゃねぇブス!」と因縁をつけられるのでは…。
それか「今日からお前は私の下僕な!」と彼女の奴隷にされてしまうかもしれない。
何れにせよ悪い事しか浮かんでこない。
どうする…
居留守を使おうにも、さっきバッチリ目が合ってしまったから使えない。
どうする…
とりあえず出るしかないか…。
僕はドアをそーっと開けた。
ギャルはドアが開いた事に気づきパッとこちらを見る。
僕が目を合わせないように俯いているとギャルが口を開いた。
ひぇ~!!ごめんなさ~い…
「あの…突然で驚かしてしまってすみません。
昨日隣に越して来たので挨拶にと思って…。」
「え!?挨拶??」
「はい!昨日こちらに越して来ました。
初めまして!鈴木美耶です!!」
なんだ…挨拶か…
僕は拍子抜けして、言葉がしどろもどろになる。
「あ…どうも…信長誠治です。」
「よろしくお願いします!
何か困った事があったら、お隣同士助け合いましょ♪
あ!これよかったらつまらないものですが…」
彼女はニコッと笑ってお菓子の入った箱を僕に差し出した。
彼女の笑顔に不覚にもドキッとしてしまった。
「あ…ありがとうございます。」
「はい♪でわまたー!」
また彼女はニコッと笑って自分の部屋に戻っていった。
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