第1章

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僕は続けて気になる話をいくつか聞きたかったが迷惑になると思って自重した。 「今日は玉人さんと話すことができて良かったです。ファンとしてはこんなに嬉しいことはないです。もしよければ近いうちに引っ越し祝いでもしませんか? それとそのときにサインも頂けませんか?」 勢いで言ってから、またしても失敗したと思った。 けれど玉人は優しかった。 「喜んで頂けて良かったです。引っ越し祝いはやったことがないので是非やりたいですね。サインは無理ですけど今度の週末にでもやりましょう」 玉人の提案に僕はこれ以上ないくらい喜んだ。 正直ハシャぎ過ぎで玉人も少し引いていたけど、目は優しいままだった。 結局、引っ越し祝いは日曜日の夜ということになり、玉人をアパートに招待することになった。 まだ水曜日なので待ち遠しい限りだ。 玉人の家には行ってみたかったが、ファンである自分がいきなり家に行くことは恐れ多いので遠慮した。
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