第1章

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月曜日の朝、会社に出勤しようとアパートのドアを開けたとき、このアパートを管理している不動産屋の社員に声をかけられた。 「おはようございます、清水さん」 俺は軽く頭を下げ挨拶を返す。 「おはようございます。 どうしたのですか? こんな朝早くから」 不動産屋の社員は、自分の後ろにいた女性3人を紹介する。 「今日から清水さんの隣の部屋に入る、太田さん御一家です」 社員は続けて、清水に紹介した3人の女性に向かって、清水を紹介した。 「こちらは隣の部屋の清水さんです。 このアパートの最古参ですから、分からない事があったら、清水さんにお聞き下さい」 「最古参って大袈裟な、築1年のこのアパートに最初に入居しただけでないですか」 社員に軽口を返し、女性3人に挨拶する。 「清水です。 宜しくお願いします」 「太田と申します。 こっちは娘の、詩織と香織です。 夫は引っ越しを私達に押し付けて、サッサッと会社に出勤したので、帰宅したら挨拶にお伺いさせて頂きます。 これから宜しくお願いします」 挨拶が済んだところで、俺は腕時計で時間を確認し、会社に出掛ける事にした。 「すいません、電車に遅れちゃうので、私もここで失礼します」 俺は太田さん一家の3人と、不動産屋の社員に頭を下げ会社に向かう。
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