第1章

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実は部屋の外に出るまで、今のアパートから引っ越す事を考えていたが、止めた。 引っ越そうとした理由は、と、その前に俺の特殊な能力を教えておこう。 俺は超能力者だ。 その能力は、透視能力と聴覚が優れている事である。 透視と聞いて、世の中の女性の裸を見放題だと思った奴、お前の考えは正しい。 俺も中学や高校生の頃それを試みた。 だが、俺の透視能力は微調整が効かず、服の上から透視しようとすると、服だけでなくその女の子の身体まで透視してしまい、俺の目に映るのは、人体模型のような筋肉や内蔵だけで、肝心な女の子の裸体を見る事は出来なかった。 それで色々試みた結果、建物の壁を透視しながら女の子を見ると、ドンピシャで裸体を鑑賞できる事に気が付いたって訳さ。 聴覚の方も壁1枚を隔てたときが、良く聞こえる。 で、今のアパートだが、俺が入居したあと太田さんが入る部屋に、女子大生の2人組みがルームシュアで入居していたが、2ヵ月程前2人が喧嘩して1人が出て行き、残った1人も、1人では家賃の負担が大き過ぎたのか、引っ越して行ってしまった。 その反対側の隣部屋、こちらに入居しているのはジャニーズ系の美青年で、俺はこいつが引っ越して来たときは、リアルAVが観られると期待したんだが、こいつが部屋に引っ張り込んだのは、男、それも中年のデブで、俺はこちら側の部屋を透視する事は止めている。
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