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「こんばんわ、ミコさん!今日もお夕飯一緒にいかがですか?」
会社から帰宅して、玄関前で鍵を取り出したと同時に開かれる隣室の扉。
そこには、可愛らしい…というよりも、ただただ綺麗な容姿の女性が満面の笑みを浮かべて私を見ている。
相沢百合。
彼女は約3ヶ月程前に隣室に越してきた美少女。
瞳はくりっとしていて、鼻筋も通っていて、小さな唇が綺麗な弧を描いている。
顔もちっちゃくて、体格もほっそりとしていて、手も足もすらっと長い。
腰はきゅっと括れているのに、胸はふっくらと存在を主張していて。
痩せ過ぎていることはなく、女性らしい柔らかな曲線を描いている。
もう、まさに美少女。
それ以外の表現の仕方は知らない。
「…ミコさん?どうしました?」
私のコンプレックスを容赦なくゴリゴリと刺激してくる彼女の容姿に関しては、もう考えないようにして。
ここ最近気になっていたことを口にする。
「何でもないよ。それより、毎日私なんかとご飯食べたって面白くないでしょ?大学の友達と食事に行ったりしないの?」
…そう、彼女は大学生。
今年20歳になると言っていたから、大学2年生かな?
…遊び放題な時期だろうに、私みたいな、ただの隣人と夕食を食べる意図が解らない。
そんな思いを視線に乗せつつ、ユリさんを見ると…。
「いいえ?ミコさんと一緒にいる方が楽しいですよ!それに大学の友達とはお昼を一緒に食べてますもん。夜まで一緒に食べなくたっていいじゃないですか」
つん、とちょっと拗ねたようにそっぽを向く。
そんな仕草も、それはもう可愛らしく…様になっていて。
…綺麗、っていうのは得だな。
これはもう、大学…だけじゃなくてもモテモテなんだろう。
まぁ、私には一生縁のないことだろうし、ユリさんがモテモテだろうがなんだろうが関係ない。
ただの隣人なんだから。
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