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「ふーむ、そこまで思ってるのか。意外だな」
ん、真剣さがやっと伝わったかな。
「真剣だよ。私もそうなるとは思わなかったくらいだよ」
「相手は好きな相手がいるんだろ? 辛いだろーが」
なっ、急に同情されてもな。
「確かに辛いけど、こういう気持ちになれたのは幸せだよ」
「そうか」
「うん」
そうやってお互いに少しの間黙った。
「なら、仕方ない。俺も一先ずはお前とヤるのは諦めるわ」
「はは、ありがとう。お酒くらいは交わそう」
「そうだな。しかし本当残念だ。気が変わればいつでも来いよな。相手になるからさ」
「ああ。まあ、そんなことはないだろうけど、気持ちだけは受け取っておくよ」
「ああ、待ってるぜ」
言うが速くか、尻を軽く叩かれたので、「うわっ」と、変な叫び声が出てしまった。
「そこ! 静かにって、またお前逹か」
「すみません、私の責任です。なので場所を移ります」
「ああ、そうしてくれ」
護衛兵士長は自分のこめかみを片手で抑えながら、軽くあちらへ行くように指示をするように手を振った。
「少しは時と場合を考えるように」
「はっ、すみません」
って、結局私が怒られてる気がするなぁ。
まぁ、彼は彼なりに、私を応援してくれるようだ。
だから私は、希望は薄いかもしれないけれど、マーツが私の事を少しでも好いてくれるように、見てもらえるようになりたいと思うので、そうなるべく努力していこうと思いなおした。
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