『王子専属従者、マーツは憂う』"無自覚な行動"トマスのその後

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本当にそこから進んでしまうとか、思わないのかな。 というか、自慰も知らないくらいだから、男性同士の体の重ね方も知らないのかもしれないな。 だからいっそのこと、私が体で色々教えてあげようかとか、そんなゲスなことを考えてしまう。 そんな美味しい話は実際は無理なのは分かってるし、そんな勇気すらない。 頭の中でなら、ひとつずつ順を追って、優しく扱ってあげられるのに。 マーツは恥じらいや刺激に上擦る声が出るのを耐えて、それでも教えをせがんだりして。 私が兄様に教えてもらったように、今度は私がリードしてあげたい。 一緒に気持ち良くなりたいさ。 本当にやってしまったら嫌われるのは間違いない。 そもそもマーツは王子に恋してるんだから。 マーツは王子とそういった関係になりたいだろうし。 ああ、切ない。モヤモヤする。 こんなこと考えても仕方ない。 いっそ、頭の中では、君をどうしようが許してくれるだろ? 好きだから、嫌われたくないし、傷つけたくない。君が王子に思っている気持ちと同じだろ。 同士だろう? だから、せめて空想の中では私の思うように喘いで。 なんて、凄く身勝手な気持ちというのも分かってはいても、気持ちだけは嘘はつけない。 マーツ、君自体は気付いてないかもしれないけど、君は、魅力的で可愛いんだ。
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