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クレイ様に無理矢理されてあがきつつも、段々と快感を貪るようにしていた唇。
蕩けた表情。羞恥からの上擦った声。
怒った時の真っ直ぐな瞳さえ、魅力的だった。
それを私にも向けて欲しい。
頭の中の君は私を誘ってくれて、笑ってくれる。
そして、一緒に激しく乱れて蕩けてゆく。
『俺も、も、イク……から、きて、いいよ』
そう言ってビクンと跳ねるマーツ。
その瞬間、昇ってくる快感で世界が真っ白になった。
その白昼夢は急速に醒める。
実際にはそのようなことは叶わないという現実に戻り、頭の中で好き勝手してしまう自分に嫌悪と虚しさが体から滲みでる。
手に残る汚れた滑りが、自分の穢れだと感じてしまう。
夢うつつから覚めれば独りだ。
繋がる事が出来るのは、あくまで私の空想だけなのだから。
実際は強引にしたら怒るだろうな、それとも流されてくれるのかな。
はたまた嫌悪されるだろうか。
こちらは好きだと告白したのに、マーツは兄弟みたいな関係を保ちたいとか甘えたことを言ってくるくらいだから、案外大丈夫だったりするのだろうか。
それでもマーツが兄弟や友人といった関係を保ちたいというなら、それに応えたいと思う。
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