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彼、よろず屋のヒロキの1日は、コーヒーを飲むことから始まる
そうしないと、やる気も出ないし、なんとなく落ち着かないのである
ほろ苦さが口に広がり、鼻の奥まで豆の香りを感じられる
プルルルッ…
突然、スマホがなった
「誰だよ、こんな朝早くから…」
彼は画面を確認する
とたん、顔を歪ませ、もう一口コーヒーを含んだ
「もしもし…」
「おはよー
ヒロキがこんなに朝早くの電話にも対応できるとは…感心、感心」
「これから新聞配達なんだよ 冷やかしで電話したなら切るぞ 」
ヒロキの電話相手は、中学生からの付き合いのカズヤだった
友達というより、腐れ縁とヒロキは思っている
現在は、研究者として、様々なことを実験、解明しているらしい
「今回は冷やかしではないよ
よろず屋の君として、依頼したいことがある もちろん、報酬は弾むよ」
「ふーん、内容は?」
単なる雑談になるならすぐにでも切ろうかとヒロキは考えたが、依頼となるとそうもいかない
それにカズヤは、膨大な依頼料を貰える
断るという選択肢はない
「ユリちゃんという女の子を特定の場所まで連れていって欲しいんだ」
「それだけか?」
「うん」
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