第1章

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言ってることが理解できなかった いや、ありえないと嘘だと否定したのかもしれない 「信じられないかもしれないけど、本当のことなんだ そればかりが、あの木に近づいた人は呪われるという噂が流れてね…実際に僕も研究者達を引き連れて行ってみたけど、途中で眠くなって、目が覚めた時には全員、研究室にいたんだ」 必死に、叫びに近いような声がヒロキの 耳に伝わる どうやら、本当の事のようだ 「そうか、それが本当でも嘘でも、ユリっていう奴を木に連れていけば、俺の依頼は完了だ 新聞配達が終わり次第、そっちに向かう、その時にまた色々聞かせてくれ じゃあな」 時間が無いため、一方的に電話を切った 「さて、新聞配達を済ませるか」 ヒロキとカズヤが電話している同時刻 「どうやら、彼女は我々の邪魔をするみたいです」 場所はどこだろうか 建物の中なのは、分かるが薄暗い 数十人の白いフードを被った人達をが円を描き、何やら話している 「まだ、力が覚醒していないといいのだが…」 「大丈夫だ 覚醒していても、すでに手は打ってある」 「ボス、彼女をいかがなさいますか?」 ボスと呼ばれた人物は、白いフードではなく、黒いフードを被っていた 「彼女を野放しにし、力が蘇るような事があれば、こちらもそのうち太刀打ちできなくなる かといって、始末するには惜しい」 男性の透き通った声に、周りの者達は耳を傾け続ける 彼はしばらく考え、皆を見た 「よし、彼女を生かしたまま捕らえよ 絶対に殺すな」 「「はっ!」」 指示を受け、彼らは外に向かう準備をする その中に、幼い少女の姿があった 「もうすぐ会えるよ… お兄ちゃん」
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