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港署初日…
「おはようございます。」
署内の人間が作業をいったん止め朝の挨拶をする。
「おはよう。」
デスクに向かいながら挨拶を返す。
一番奥の席に腰をかける。町田課長…デスクの上のプレートに記されている。
一息つく間もなく女性が近づき
「おはよう、町田くん!」
「おはようございます。松村署長!…でもいい加減「くん」は止めてもらえませんか…?」
「ゴメン…ゴメン…」
あまり悪びれた様子もなく
「今日からうちの署に二人増えるから…」
随分砕けた言い方で報告しつつ書類を渡す
「わかりました」
書類を受け取り、松村署長の顔をみると不敵な笑みを浮かべている…
「じゃ!宜しく!」
と言い残してその場を離れる。
おかしな…などと思いながらも書類に目を通す
「!?…」
驚きながらもよく見なおし
「な‥なんだ…びっくりした‥」
書類に書いてある名前に動揺した
鷹山… 大下…
かつて自分の先輩に酷似した名前に驚いた。
「おはようございます」
手錠につながれた二人の男を連れた警官が挨拶をする。
「あ…おはよう…なに?」
書類の出来事が余りに衝撃的だったのか…つっけんどんに聞いた
「いや…この二人が港署の刑事だと…‥」
「え…」
その二人を見る。
「〇〇署からきました!大下です!」
気を付けの姿勢をとったために手錠が食い込みもう一方の男の顔が歪む。そして腕をさすりつつ…
「今度こちらでお世話になります‥鷹山です。」
紹介が終わるなり
二人と先輩の姿がタブって見え思わずイスから落ちる町田課長…
目をこすりもう一度みると先輩の姿は消えていた(あ~びっくりした‥)声にはならなかったが…
「とにかく‥手錠はずしたまえ…」
立ち上がりイスに座り直し
「手錠かけて出勤なんて前代未聞だぞ!」
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