多少の縁

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店内が混み始め、ザワザワと熱気を帯びてきた。 『自由人って感じですかね。少し質問していいですか?』 沼田は思い付いたように横に置いてあるケースを開いた。 中からデザインを起こすために使っているパソコンを取り出した。 沼田はこんなとき機転の利く奴だ。 俺に質問し、答えの中のキーワードをどんどん、パソコンに打ち込んで行く。 『服装はその日は、スーツでしたか?』 『いや、よれよれの迷彩柄の上下だったな、たしか……』 『迷彩ですか?その他気になっていることは?』 『うーん、ヘルメットにサングラス。それに小型の機材を色々身に付けていたな……』 パソコンに向かい次々と打ち込んでいく沼田は頼もしくも見えてくる。
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