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「ですのでエネルギーを補給したいんですよ」
銀色のソレは山本を見上げた。頭の大きさに比べ目がとてもデカい。本当にクレイと呼ばれる宇宙人がいるのだな、と山本は妙に感心してしまった。
「エネルギー?」
山本は隣の家、斎藤家に落ちたUFOをようやくしっかりと見ることが出来た。このわけのわからない状況に少しは慣れてきたのかもしれない。
それにしてもだ。先ほどまではUFOは確実になかったはずなのだ。それなのに、墜落した時に起こるはずであろう音や衝撃などは起きていない。どういうことだ?音もなく衝撃もなく墜落なんてできるのか?
……誰も人が外に出てきていないことを考えると、サイレンサー的な装置がUFOに備わっているのかもしれない。
「ハイ、エネルギーが必要なのです。早く飛び、引っ越しをまたしないと」
こいつはいつまで引っ越しだと言い張るのだろうか。
「そのエネルギーは何だ?」
「いくつか代用できるのですが。その一つはプルトニウムです」
「……ありがちだな」
「あなたは持っていますでしょうか?」
「イや持ってない。他にはないのか?」
「あとは雷に打たれるとか」
「……どこかで聞いたことあるな」
「雷撃てますか?」
「地球人のこともっと調べた方がいいんじゃないか?他にはないのか」
「もうひとつ身近にあるのですが……」
「なんだ?」
「人の命です」
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