第1章

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「ですのでエネルギーを補給したいんですよ」 銀色のソレは山本を見上げた。頭の大きさに比べ目がとてもデカい。本当にクレイと呼ばれる宇宙人がいるのだな、と山本は妙に感心してしまった。 「エネルギー?」 山本は隣の家、斎藤家に落ちたUFOをようやくしっかりと見ることが出来た。このわけのわからない状況に少しは慣れてきたのかもしれない。 それにしてもだ。先ほどまではUFOは確実になかったはずなのだ。それなのに、墜落した時に起こるはずであろう音や衝撃などは起きていない。どういうことだ?音もなく衝撃もなく墜落なんてできるのか? ……誰も人が外に出てきていないことを考えると、サイレンサー的な装置がUFOに備わっているのかもしれない。 「ハイ、エネルギーが必要なのです。早く飛び、引っ越しをまたしないと」 こいつはいつまで引っ越しだと言い張るのだろうか。 「そのエネルギーは何だ?」 「いくつか代用できるのですが。その一つはプルトニウムです」 「……ありがちだな」 「あなたは持っていますでしょうか?」 「イや持ってない。他にはないのか?」 「あとは雷に打たれるとか」 「……どこかで聞いたことあるな」 「雷撃てますか?」 「地球人のこともっと調べた方がいいんじゃないか?他にはないのか」 「もうひとつ身近にあるのですが……」 「なんだ?」 「人の命です」
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