第1章

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 何となく、二人が大好きなグラムロックの大御所「T‐REX」の「20th Century Boy」を鼻歌で歌ってしまった。  「I wanna be your boy」のところは歌詞を口ずさんで…  すると諒はくすっと笑い、 「そこだけ歌う?」 それから麻也は一口だけシャンパンを飲むと、珍しくも、自分の方から諒の顎に手を伸ばし、 くい、っと持ち上げると唇を重ねていった。  唇を舌で割り、歯を…と思ったところで、諒の舌に絡め取られた。 やっぱりリードは俺の方だよ、というように。  麻也の好きな長い深いキスはいつしか、諒の手に髪をかきわけられると首すじを流れていき… 「…あ…諒…」  いつも以上に早く声が出てしまう。 まあこれも作戦ということで… (…もうこれで最後かもしれないから…)
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