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校歌が流れ出す、後ろで泣き声に混ざった歌声が聞こえてきた、僕は今卒業式の会場にいる、主役は僕たちだ、いや僕を除いたみんなと言った方が正しいだろう。
高校生活に良い事なんて無かった。友だちは居たが親友と呼べるほどもなく、行われた行事も僕の中で特に盛り上がることも無く終わった。言い訳がましいが別に人と喋れないわけでは無い。日常会話はもちろん軽い皮肉だって言える。
休日友人が彼女とデートしているときに僕は一人で本屋にいた。
だからみんなはこの場所からの卒業、僕にとっては過ぎ去っていく日常の一日に過ぎない。悲しくも無ければ嬉しくもない。
つまらない人間だと言われればそれまでだし実際他人から見ればつまらない人間だと思うむしろそう自覚している。でも僕が一人だったのはこの世界よりも綺麗な世界にあこがれてしまったからだ。
ラノベを読んだことがある人、好きな人なら分かるだろうがあの世界は少なくとも自分のいる世界よりは綺麗に映ってると思う。そして少し前から最近はその世界に入る主人公が目立ったはずだ
そんな主人公に憧れた人は少なくないんじゃないだろうか?少なくとも僕はその一人だ。
当たり前だがあの世界はフィクションだ、実際に存在する訳がない、する訳はないが僕の頭の中でこの世界にそれが起こらないなんて言い切ることはできないと思い続けてきた
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