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卒業式も終わりみんなは泣きながら、教室で別れを楽しんでいた。
僕はこの日だけ解放されている屋上に向かう、びっくりするぐらいの晴天でもやっとしてた僕も何処か解放されたような気分になった。
辺りを見回してみたが一人もいない。そらそうか、今、普通なら教室にいるべきだもんな。
ゆっくり屋上を移動しながらそんな事を考えている、金網越しに自分のいる町が見える、何処を眺めたって目新しさなんて無い、それが自分の生きている場所は現実なんだという事を強く僕に自覚させた。
大人になるべきなんだろう、何時までもウルトラマンになりたいと思う子供の様になってるべきでは無い。
目を閉じ深く息を吐いた時だった
「はーいそこの辛気臭そうな君」
屋上に間抜けな声が聞こえる、声の方を振り向くと女が立っていた。
「何してんのさこんな所で」
女は僕に向かって進みながらそう言った。
僕の記憶の中でこんな女は知らない。誰かの親だろうか?それにしては若い気がするがまあ変に絡まれるよりはここから立ち去った方がいいだろう
「あー屋上は生徒限定ですよー」
僕はそう言いながら女の脇をすり抜けようとしたが女は扉の前に立ったまま動かなかった。そして
「ところでさ、君はもう一回高校生活が出来るって言ったらどうする?」
そう言った
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