Fall on XXX

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 ベランダにはネットを張ってもう鳩が入れないようにしてある。  そういえばここはオレんちの隣だから、うちのベランダもヤバイぞ。 帰ったらオレの所もネットを張っておこう……。 「ユウくんのお陰で助かったわ、ありがとう。 今お茶入れるから座ってゆっくりしててね」  後片付けをして部屋に戻るとき、笑顔と共にそう言われた。 あぁ、手伝って良かった。  追い出された鳩には申し訳ないが、これはオレにとっては鳩が運んでくれた幸せだ。  よし、今がチャンスかもしれない。 今日こそ告白しよう……! 「ユウくんお待たせ」 「ありがとうございます。 あの、しょうこお姉さん!」 「昨日アップルパイ作ったの、良かったらこれも食べて」 「ドゥフゥッ! うまい!」  しまった! タイミングが掴めない!  お姉さんは良かった~と言って微笑んでいる。 「オレ、このアップルパイまた食べたいな。 しょうこお姉さん、オレ……しょうこお姉さんのことが大好きです! オレと付き合ってください!」  勢い余って立ち上がるオレだったが、その瞬間ふらっと足元が覚束なくなった。  まずい、興奮しすぎたか?!
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