Fall out XXX

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「あーヤバイなぁ……」  オレは手鏡と洗面台の鏡を使って合わせ鏡をしていた。 「そろそろ育毛剤に頼るか?」  そう、見ていたのは自分の後頭部。 齢二十にしてこの悩み。神とはなんて残酷な存在なのだろう。 「あれだな、性欲を抑えないとダメだな」  薄毛の原因は男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼの作用によってジヒデドロテストステロンに変換されてしまうことで起きるんだもんなぁ。 だからそうならないためにも、これからのオレは修行僧のように性欲を絶って――  ピンポーン  ぐだぐだと考え込んでいると玄関のチャイムが鳴った。 「何だこんなときに」  幸いオレは大学から帰ってきたばかりだったので、そのまま玄関に行きドアを開けた。 「はい、どちら様で……」  ドアの向こうには別嬪さんがいた。 「こんにちは、はじめまして。 あの、わたしこの度となりに越してきました佐藤といいます」  ぼけっと見とれているオレに彼女は、つまらないものですが、と粗品の子猫のぬいぐるみを渡して帰っていった。 すぐ隣の部屋に。  あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……!
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