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翌日になってオレは、昨日の出来事を友達に自慢しまくった。
「えー、ずるいぞハゲのくせに」
「ハゲに転機が訪れたのか、クソッ」
「はっ? 寝言は髪が生えてから言え!」
なんでや! ハゲ関係ないやろ!
というかこれはまだ薄毛だ。ハゲじゃないぞ。
しかしオレが“世界中が嫉妬する神”になったのは確かなようだ。
今日は粗品のお礼を買って帰ろう。
ん、もしかしてオレ今浮かれてる?
ヤバイな、また男性ホルモンが活性化してるんじゃないだろうな?
オレは授業が終わった後大学を飛び出してモールへと急いだ。
何買おうかなぁ……。
オレは昨日見た佐藤さんの姿を思い出していた。
ライトブラウンのショートブーツ。
膝より少し下の丈の落ち着いた茶色のスカート。
白いブラウスとその上に羽織っているベージュのカーディガン。
そしてその上にある小さくて可愛らしい童顔と、それを包む内巻きのショートヘア。
ふわっと優しい雰囲気と優しい笑顔が甦る。
オレはハッとした。
ヤバイ、佐藤さん、超好みのタイプだ!
しかし困った、このまま惚れてしまってはオレの毛根が死滅してしまう。
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