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「何言ってんだよ。とうとうあんたまでイカれたか?」
俺は取り合わなかった。
冗談にも戯言にも
つきあうには疲れ過ぎていた。
それでも――。
「俺にできないことがあると思うか?」
自信満々
征司は口端を吊り上げる。
「そんな事ができるなら、どうしてこんなになるまで放っといた?」
無心でルービックキューブを回す
弟の手から玩具を取り上げ
俺は腹立ち紛れ放り投げた。
「もっと早く手を打ちゃ良かったじゃないか!」
せめて
俺のとこへ寄越す前に――。
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