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「そうだ。あれだよ――あいつさえ現れなければ、おかしいまでも和樹の心の均衡は保たれてたのさ」
事の始まりを思い出し
征司は憎々しげに手を打った。
「言っても無駄だろ。起こっちまったことはどうにもできない」
それが世の常ってやつだ。
「だから今夜魔法を使う」
「あ?」
「時間を巻き戻すんだ。何もなかったことにする」
「はあ?」
だけどもそれは
天宮征司以外の人間にとってはってことらしい――。
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