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「時を待たなきゃいけなかったのさ」
征司は俺の放り投げたルービックキューブを
器用に空中でキャッチして言った。
「で――今夜ようやくその時が来たってわけだ」
「今夜?何がある?」
「さあな。その目で見ろ」
偉そうに。
ふんぞり返ったまま
一瞬でキューブのピースを合わせてしまうと。
「おいビスケット、おまえの欲しいものをやるから待ってろよ」
指を咥える和樹に放って寄越した。
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