episode168 壊れたハート①

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そして その夜遅く――。 玄関のチャイムが鳴った。 渋面引っさげて ベランダで煙草を吹かしていた俺より先に。 俺のベッドですっかり眠り呆けていた和樹が 来客を聞きつけた犬のように飛び起きた。 予感――というやつだろうか。 黒髪がふわり 舞うほどのスピードで。 「おいっ……そんな格好でっ……!」 俺の忠告などまるで聞かず。 和樹は半裸のまま シャツを引きずって部屋を飛び出して行った。
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