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ベッドに身体が沈んでいくように感じる。
もうあと数十秒あれば夢の世界に旅立つところでインターフォンが鳴った。
─────無視だ。
平日の昼前に尋ねてくるやつなどセールス以外思い当らない。無視を決め込み再び目を閉じた。
もう一度インターフォンが鳴る。
─────無視。
また鳴る。
諦めて立ち上がった。一言文句を言ってやろうかという気にさえなる。
居留守とバレているのだろう。
自分の都合で呼び出しやがってと苛立ちながらベッド脇に脱いでいたスエットに袖を通した。
「────はい。」
「すみません。隣に引っ越してきた永井です。」
怯えたような若い女の声が返ってきた。
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