第1章

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この世には、3つの世界があるという。 1つは、悪魔や魔族の住まう世界『暗黒界』。 その悪魔に対抗する、天使や神の住まう世界『天空界』。 そして、最も凶悪で残虐性をもった生物である、人間の巣食う世界『人間界』。 しかし、この世には、まだ見ぬ世界もあるという。 ―プロローグ― この世界では、1年が 0月1日から始まる。 そして、6年に1度、閏年があり、0月0日がやってくる。 756年0月0日。 ファイア地方の南東の小さな町、ヒーロ町。 そこに一人の男の子が産まれた。 ヒーロ町は、漫画やアニメ、ゲームなどに出てくる、ヒーローや勇者が、数多く誕生する町である。 例によって、彼も後に世界を大きく揺るがすことになる。 果たして彼は『天使』なのか…。 それとも、『悪魔』なのだろうか…。 そして同じく、ヒーロ町で産まれた少年、レムの冒険が 今、始まる。 ―ADV.1:レム×スピ― キンッキンッ…。 薄暗い部屋で、金属同士のぶつかる音が聞こえる。 「ち、ちょっと休憩だ」 赤い短髪の少年が、右手に持っていた片手剣を床において、座り込んだ。 「レムさん!?まだ始めたばかりじゃないですか…」 青い髪の青年が赤い髪の少年に言った。 その両手には、鎖で繋がった2本の鎌。 「でもさ…。俺よりテクタの方が強いじゃん。特訓しなくても、戦闘はテクタに任せるよ」 「レムさん…」 青い髪の青年が、頭を抱えていると…。 バンッ! 突然、部屋の扉が開いた。 「レム!テクタ!仕事持ってきたわよ!」 その扉の向こうには、黒いロングヘアーの女の子が立っていた。 「お!スピ!よし、その仕事、すぐ行こう!」 そう言って、赤い髪の少年は、そそくさと部屋を飛び出した。 黒髪の少女もそれを追いかけて行った。 「あ!ちょっと、レムさん!?スピさん!?僕をおいて行かないでください!」 レムとスピは、広い砂漠を歩いていた。 ファイア地方の南半分はほぼ砂漠なのである。 彼らは砂漠を越えた先にある『バケ町』へと向かっていた。 バケ町は、ファイア地方の貴族たちが住む町、通称『金の町』だ。 「スピ、まだなのか。暑くて死にそうだ」 レムが言った。 「もうすぐよ。我慢しなさい。」 バケ町まではあと1キロほど。 豪華な街並みが見えている。 ゴゴゴゴ…。 「ッ!?なんだ!?」 突如、二人の目の前に巨大なサソリが現れたのだった。
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