第1章

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コンコン 穏やかな休日の昼間。昼食を食べ終えた私は、うつらうつらとしていた。 そこへ、玄関のドアをノックする音。 もう少しで深い眠りに入るすんでのところで、それに妨げられた。 不愉快極まりない。出るか出まいか迷っていた最中、再びドアをノックされた。先ほどより力強い。 ゴンゴン なかなか出て来ない住人へ苛ついたように音が激しくなる。 ドンドン どうせセールスマンか何かの勧誘員か、今の私には眠りを妨げられたと言う事実上の不快しかない。 文句の一つでも言わないと気が済まない気持ちになり、漸く重い身体を起こし玄関へ向かった。 「はい、どちらさまですか」 あからさまに怪訝な態度でドアを開ける。 既に誰も居なかった。諦めて帰ったと思い、少し安堵した私はもう一度横になった。
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