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部屋の前に着いた。
扉にはネームプレートが掛けられており、手書き感あふれる文字で“ミーナ”と書かれていた。
オレはその幼馴染み……ミーナの部屋の扉をなんの躊躇も無しに開け放つ。
女の子の部屋だから躊躇しろとか知らない。
こちとら何年間、毎日同じことを繰り返してると思っているんだ。
ズカズカと部屋に入り込み、ベッドの前に立つ。
ユウ
「……だらしない顔してんな」
そこには掛け布団を全て蹴り落とし、パジャマがめくれてヘソを出し、ヨダレを垂らしながら幸せそうに寝ているミーナの姿が。
…………例え慣れていなくても、こんな姿の女の子見たら誰でも冷静になれるわ。
ユウ
「おーい、起きろミーナ。朝だぞー」
ミーナ
「ん……んふふー……」
……起きない。
ユウ
「おい、起きろ。ミーナ」
ミーナ
「んー……あと6時間ー……」
親父と同じこと言うな。
ユウ
「起ーきーろー」ユサユサ
ミーナ
「んー……んー……」
……揺すっても起きない。
ユウ
「コイツ夜更かししやがったな……?」
いつもなら揺すった時点で起きていた。
だが、たまに夜更かししている日などがあるとなかなか起きてくれないときがある。
こう言うときは実力行使しかない。
ユウ
「お前が悪いんだからな……」
オレはデコピンの手を作り、その手をミーナのおでこに近付けた。
そして……。
ユウ
「うりゃっ!!」ピッ!!
ミーナ
「いッ!?」コツッ!!
見事にクリティカルヒットしたデコピンで、ミーナの目を覚まさせることに成功した。
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