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勇者。
この世界で無数に存在するモンスターを殲滅するために誕生すると言われている伝説の戦士のことだ。
しかしその存在は……。
ユウ
「あのなぁ……何を言い出すかと思えば、まだそんなこと言ってんのかお前は」
ミーナ
「む……バカにしないでよっ」
ミーナの母
「全く……15才にもなってまだそんな“絵本”の物語を夢見てるの?」
そう……勇者と言うのは、とある絵本の物語に登場してきた人物であり、本当にただの“伝説”に過ぎない。
しかし、この世界に無数にモンスターが存在すると言うのは事実。
この絵本の物語は、小さい子供に“モンスターは正義の味方がやっつけてくれる”と言う風に言い聞かせ、安心させる為の作り話でしかないのだ。
ミーナ
「……ねぇ、ユウ君。あのユーシャの物語の内容、覚えてる?」
ユウ
「え……あぁ、まぁ、うろ覚えだけどな……確か」
オレは一つ一つ思い出していくように口を開けていく。
ある日、一人の少年は夢を見た。
それは女神のような女性が現れ、その女性が一つのお願いをする夢だった。
その女神のような女性は自らをセリディウスと名乗り……。
セリディウス
「どうか世界を……魔王を倒してこの世界を救ってください!!」
そう話した。
少年は二つ返事で引き受け、モンスターを殲滅させるため、仲間と共に大冒険に旅立つ!!
ユウ
「みたいな感じだよな?」
ミーナ
「序盤しか覚えてないんだね……?」
ユウ
「し、しょうがないだろ。小さい頃読んだっきりなんだから……で、それがどうした?」
オレの問いに、ミーナは深刻そうな顔をして答えた。
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