第1章

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隣に引っ越してきた彼は黒い髪に金色の瞳をした背の高い美しい男性でした。 彼と私の出会いは…… 『いちご』から始まった。 そして彼の第一声は 「あなたは美しい女性なのですね」 だった。 美しい人に美しいと言われても反応に困るものだった。 彼は引っ越してきてからなぜか毎日のように挨拶をしてくれた。 私が仕事で朝起き、外に出るとタイミングよく彼も出てきて一言「おはようございます」と。 夜は疲れて帰ると、またしてもタイミングよく彼は家から出てきて「こんばんは、おかえりなさい」と、言って家のなかに引っ込む。 毎日、それの繰り返し。 だが、悪くはなかった。 都会に引っ越してきて彼氏もいず今は仕事でいっぱいいっぱいな私にこんなにもきれいな人がいつもおかえり、いってらっしゃいと言ってくれるのは。 それからというもの、私は気分もよく仕事にいきどんなに辛いことがあっても家に帰るのが楽しみになっていた。
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