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うっとりとした表情で先輩はそんなことを言った。
他人の見た夢の話に並ぶ、ものすごくどうでもいい情報だった。
「安い女ですね……」
思わず本音がこぼれる。
「失敬だな、キミは。ロマンが足りないよ、ロマンが。もしや反浪漫主義派か? 浪漫な飛行したくないのか? 原チャからは飛んだというのに」
「そ・れ・は! アンタのせい! 大体ロマンって、それ、ただの親父ギャグじゃないですか!」
「フゥー」
保科先輩は大きな溜息をついてから、無言で二階に上がっていった。
「……?」
それから聞こえてきたのは『やれやれ』という呆れた調子の保科先輩の声と、どこかの部屋に保科先輩が入った音だった。
あまりに自然な動作にオレは棒立ち、しばし逡巡。
そして我に返り
「ちょっと、待てやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
かつてないほど激しく階段をと駆けのぼった。
「くさっ!なんだこの臭い!?」
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