第三章『僕は友達が欲しい』

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クラスで完全孤立を極めているオレは、今日も寂しく休み時間を読書でやり過ごす。 クラスから浮いている人間というのは、極度の人間不審に陥る。 なんつーか、周りの話し声が全部自分の悪口に聞こえる的な。 「ハァ……」 深いため息。 オレのメランコリをどうにかしてくれる女神は現れないものか。 チクショー、なんか盗んだバイクで走りだしたい気分だわー。 あ、でも免許ないんだった。 チクショー、自転車で宇都宮にでも行きたい気分だわー。 あ、でも学校あるんだった。 サボろうかな、腹立つし……。 と、こんな感じで俺が荒んでいるとクラスの女子の一人、萩(はぎ)さんが恐る恐るといった感じで近いてきた。 「あの……。晴水君?なんか、二年生の絵姫っていう先輩が晴水君を呼んでるんだけど」 「は?」 オレが萩さんに連れられ廊下に出ると、そこには茶髪縦ロールのお嬢様風な女子生徒が笑顔で待っていた。 「じゃあ、わたしはこれで……」
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