第三章『僕は友達が欲しい』

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役目を果たした萩さんは逃げるように教室へ戻っていった。 「どうも、初めましてだね、晴水誠也くん」 にっこりと人懐っこい表情で絵姫という先輩はオレを見た。 可愛らしい容姿に愛嬌のある雰囲気。 出るとこは出て引っ込むべきとこはしっかり引っ込んだ、抜群のプロポーション……。 一体こんな美人がオレになんの用だろう。 「絵姫先輩でしたっけ?オレに何か用ですか」 「そうなの。とても大切なお話しが晴水くんとしたくて。……聞いてくれる?」 少し不安げな表情で、絵姫先輩は前屈みになってオレを上目遣いで見た。 ハッ、メロンがっ……! 「もちろんです」 オレはハキハキとした声で返事をした。 「じゃあちょっと場所を変えてもいいかな?ここじゃ、その……ちょっと話しづらいし」 絵姫先輩は人目を気にするように教室に目をやった。 「どこへでも、行きましょう」 オレはやっぱりハキハキと返事をした。 教室にいる生徒達が、絵姫先輩と連れだって去ってゆくオレをチラチラと見てるのがわかった。
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