第三章『僕は友達が欲しい』

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「フハハハハ!」 「絵姫先輩っ!」 オレがキッと睨むと、 「ごめんねー。騙すつもりじゃあ、なかったのよ?」 ほんわかと答えた。 「ご苦労だったな、アイ。さすが我が心の友」 「アイ?」 「わたしのことよ。そういえば晴水くんにはまだ自己紹介してなかったね。生徒会書記の絵姫愛智(えひめ あいち)と言います。よろしくね」 ビーナススマイル。 やられたぜ。 ハニートラップ。 「アイに晴水を呼ぶように頼んだのは私だ。キミとゆっくり話しをしたかったからな」 保科先輩は部屋に置かれた高そうな机に腰掛け、そう言った。 「用があるんなら、自分で来ればいいじゃないですか」 「私が行ったらキミは来ないだろう?」 「ああ、嫌われてる自覚はあったんですね……」 「でも、そんな照れ屋なキミが大好きさ!」 「照れてないし、嬉しくもないです」 「バイクから飛び降りるくらい元気で素敵なキミよ!」
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