第一章『バイクで来たぜ!』

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中学校を卒業したオレは、この度めでたく高校生になった。 進学先は自宅に程近い羽呂日(パロデー)高校。 通称パロ高。 通学時に朝っぱらからえっちらおっちら坂道を登らなくてはいけないことで、多くの受験生から敬遠されている学校。 それがパロ高だ。 たいした進学実績もないくせに入試問題がそれなりに高いレベルに作られてる見えっ張りで有名な学校。 それがパロ高だ。 ちなみにオレの志望動機は家に近いから。 学校が自宅とほぼ同じ高さにあるため、わずか数十メートルの坂を登るだけで辿りつける。そして今日は記念すべき初登校だった。 春風に舞う桜の花びらがふわふわした気分をより一層助長する。 家をでて数分、すでに小さくだが校門を肉眼で確認することができた。 感動的だ。 自分の家より高い位置に学校があることも新鮮でいいが、なにより着くのが早い! 昔は少なくとも一時間はかかったからな……。 自宅の立地条件の悪さに何度涙したことか。 だが、今日からは違う。 誰よりも楽な位置からオレは通学できる!
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