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俺は額に手をやり、深く溜め息をつく。
「はぁ。まあいいや。とりあえずさっきの事は気にしないで。俺に君をどうこうするつもりはない。」
「何なんだお前は。警戒されると言ったり、気にするなと言ったり…」
俺の言葉に半ば呆れたような顔で言った姫神に俺は真顔で返す。
「流石に上半身裸はどうかと思っただけだよ」
「男同士なのに何が問題なんだ」
「この学園だから問題なんだよ」
姫神はなんとも言えない顔でそういうので、俺はまたも真顔で返した。
「ったく、何なんだよこの学園は。いくら隔離された学園だからってホモだらけって意味わかんねぇよ。つうか常識的に考えて男が恋愛対象とか可笑しいだろ。」
「姫神、そういう差別発言はよくないよ。愛の形は人それぞれだよ。」
頭を苛立たしげにかきながら言う姫神に、俺は淡々と返す。
勿論、心中ではBLをバカにするなと発狂寸前だが。
「んだよ、お前は肯定派かよ。」
「別に。肯定も否定もしないよ。趣味趣向は人によって違うものだし、他人である俺達が口出しするようなことでもないでしょ。」
肯定派かという姫神に俺は興味ないという風を装い、姫神に言い聞かせるように言った。
「まぁ、確かにそうだが…やっぱこの学園の意味わかんねぇ…」
「そりゃあ、腐女子の妄想によって構築された腐女子の為の学園ですからね…ボソッ」
俺の言葉にやはり微妙な顔をしてあまり納得してないような顔で言う姫神に俺はボソッと小声で言ってみた。
勿論、聞こえていない姫神は首をかしげて俺に問いかけてくる。
「あ?何かいったか?」
「別になにも。」
俺はそれに何もないという顔でしれっと返しておく。
だってこんなこと言ったら面倒なことになるじゃん。
俺は平和主義者なんだ。
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