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突然隣に敵方のボスが座ったことにより、姫神は困惑…した様子もなく、黙々とオムライスを食べていた。
姫神って、結構図太いと言うか大物と言うか…。
半ば呆れた視線を姫神に送りそうになりつつも、気を取り直して河崎 崇仁へと目を向ける。
「許可なく座るなんて全く図々しいね。一体何を企んでいるの?」
「企む?人聞きが悪いことを言わないで貰えるか?俺はただ話をしに来ただけさ。先程も言っただろう?」
俺の言葉に河崎は肩を竦めながらそう答えた。
「そんな言葉を鵜呑みにするほど俺は馬鹿でもお人好しでもないんだけど。それで、話って一体何?」
「全く、君ともあろう人が気が短いね…そんなにデートの邪魔をされたのが癪だったのかい?朝から校内二人の噂で持ちきりだよ?」
「邪魔をしたとわかってるならとっとと退散して欲しいんだけど。」
早く話を済ませたい俺は特に否定もせずに河崎の言葉を聞き流した。
否定したところで余計に面倒なだけだ。
それに、そういった浮わついた話を流させるのが目的だったし、それを達成出来てるようで何よりだ。
しかし、先程まで大人しく食事をして居た姫神は、俺との浮き名がとても不服なのか急に立ち上がり怒鳴り散らす。
「おいてめぇふざけんな!誰と誰がデートなんざをしてるって!?」
額に青筋をたてながら、バン!!と机を叩き河崎を威嚇する姫神。
人のことは言えないが、上級生を威嚇するな姫神よ…。
プリンセスは大人しく食事していてくれ頼むから…。
そんな俺の願いも虚しく、姫神と河崎は剣呑な空気で視線を交わらせている。
おいおいお二人さん、風紀委員×不良とか良いカップリングではないですか!!
険悪な仲から気づいたら惹かれ合って恋人に─────とか妄想してる場合じゃない!
それに、こんなクソ男に姫神はやれん!
うちのプリンセスは貴様なんぞに渡さんぞ河崎 崇仁め!
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