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俺はおかわりをよそって姫神に渡すも、ものの見事な速さで平らげてしまった。
そんなにお腹空いてたのか…?
高校生男子はよく食べるなぁ、と姫神の3分の1の量の食事をようやく終え、デザートの用意をする。
フルーツをのせたプリンと、せっかく切ったのに勿体ないのでフルーツ自体も提供した。
「はい」
「サンキュ」
姫神にプリンとスプーンを手渡すとお礼を言ってきた。
こいつ、何だかんだで礼儀正しいというか…律儀というか…。
まぁ、デリカシー皆無だけどな。
俺がそう思って姫神を眺めていると、ジトッとした目をこちらに向けてくる。
「…なんだよ。」
「なんでもないよ。」
俺はなんでもないと答えると席についた。
それを何故か無言で睨んでくる姫神。
いや、こっちがなんだよって言いたいよ。
そう思い、口に出してみる。
「なに?」
「……お前…この事は言うなよ…」
俺の問に姫神は言いにくそうにそう答えた。
しかし、何の事を言ってるのかわからない俺は首をかしげて姫神に訊ねる。
「この事って?」
「………俺が…その…甘党だとか…」
「なんで?」
またもや言いにくそうに言う姫神に質問をぶつける俺。めんどくさくてけっこーだ。
「何でって…不良が甘いもん好きとかダセェだろ!」
「いや、別にそうは思わないけど。……むしろギャップ萌ですごちそーさま…ボソッ」
半ばやけくそのように言った姫神に俺は思ったまんまの言葉を返し、ついでに更なる本音を小声で言ってみた。
「テメーがそう思わなくても他のやつらが思うんだよ。なめられるだろーが」
「なんか知らないけど不良って面倒だね」
それでも納得してない姫神は頭を苛立たしげに掻きながら言うので、俺は他人事の台詞で返してやった。
すると姫神がなんとも言えなさそうな顔をして俺に言う。
「俺は風紀委員長の方が面倒だと思うぞ」
「あ、うん。それは言えてる。」
「だろうな。」
姫神の言葉に俺は思わず相槌をうった。
そしてそれに姫神も頷きながら同意。
ほんと、風紀委員長とかそんな役回りだぜ。
これじゃあ今後王道君が来ても面倒な役回りしかしねぇじゃん。
傍観できねーじゃん!
うわぁ、最悪だぁ…。
風紀委員辞めたい…。
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