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「一体お前らの間に何があったんだ…?」
俺の態度を不思議に思ったのか、姫神がそんな事を訊ねてきた。
そんな姫神に俺は思わずポーカーフェイスを崩して苦々しい顔をする。
「何もないよ。ただ、あいつの弟にちょっと面倒かけられただよ。」
そう言って思いっきり眉間に皺を寄せた俺を、姫神は驚いたように凝視してくる。
「お前、そんなまともな人間みたいな顔もするんだな。」
まじまじと俺を見つめながら、超失礼な発言をした姫神に俺は軽くチョップした。
すると、姫神は頭を押さえて悶絶する。
「~~!」
「人間みたいなも何も、俺は人間なんだけど。何?君は俺をアンドロイドとかそういうものだと思ってたの?」
俺は悶絶する姫神に冷ややかな視線を送りつつ、そう文句を言いながら水を飲む。
そんな俺を忌々しそうに睨み上げ、悶絶から立ち直った姫神が叫ぶ。
「テメェ!手加減ってもんを知らねぇのか!頭蓋骨割れたかと思ったぞ!!」
正に怒り心頭。般若の形相で怒鳴り散らす姫神に俺は左手をあげて宥める。
「どーどー。」
「……おい。いっぺん表出ろ。テメェとは口じゃ話が通じねぇみてーだ。」
俺が直もふざけていると、姫神の低い声が一層低くなり、威圧的なオーラを放ち始めた。
そして俺は悟った。
あっこれはやり過ぎたやつだ。
そう思って謝ろうにも、最早姫神は聞く耳を持たないだろう。
俺は内心で額に盛大な汗をかきつつ、弁明しようと口を開く。
「ひ、姫神…?」
「あ"ん??」
俺が姫神の名前を読んだだけで、かつてないほどに凄まれた。
ダメだ、これは弁明の余地すらない。
俺は短く息をつくと、口を開く。
「わかった。外に出ようか。」
俺はそう言って立ち上がる。
ただでさえ変なフラグ乱立していたのに余計なフラグをおっ立ててしまった。
完全に失敗である。
しかし、どこからどうみても自業自得以外の何物でもないので、俺は大人しく姫神の申し出を受けることにしたのだ。
それで気がすんでくれたら良いけど大丈夫かなぁ…。
俺は泣かば不安を抱えつつ姫神を伴って外へとでた。
あっ、注文…。
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