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そんなわけで、私は光の家の前までやって来た。
そして、チャイムを押してみたけど、うんともなければ、すんともない。
ドアに耳を押し付けてみても、何の音も聞こえない。
留守かなぁ? どこかに移動しちゃったかな?
ちなみに携帯を鳴らしてみると、中から微かに着信音が聞こえるような……。
何気なくドアノブに手をかけると、ドアが開いた。
え!? まさか、犯罪とか……は、ないよね?
「光……?」
私は、そぉっと中に入った。
家の中はシーンとしていて、荒らされた様子は無い。
奥のベッドまで進むと、ベッドの上に光が横たわっているのが見えて、一瞬で全身の血の気が失せた。
「ひかる!!?」
叫んで光に近寄ると、光はうっすらと目を開けた。
おでこに手を当ててみたけど、熱はないみたい。
それどころか、全身が冷えきってる。
「ひかる? どした? 泉さんは?」
私は優しく問いかけた。
光の目は真っ赤で、まぶたも驚くほど腫れていた。
光は私の姿を認識すると、私の名前を呟いて、その真っ赤な目から涙を零した。
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