46人が本棚に入れています
本棚に追加
「泉さんに信じてもらえなかった……。
泉さん泣いてた……、わたし……泉さんこと傷つけちゃった……もう……」
ウサギみたいな瞳から涙が次から次へと零れ落ちるし、顔色は青に近い白。
あ~。何があったか知らないけれど、こりゃダメだわ。
「よいしょ、っと」
私は片膝でベッドに乗りあげ、光の肩に腕を回して体を起こし、そのまま抱きしめた。
「光、とりあえずしっかりして。何があっても私が傍にいる。
だから大丈夫! 大丈夫だから!! わかる?」
光は私の肩に顔を乗せて、何度も頷いている。
私は光の背中をぽんぽんと軽く叩いて、顔を覗き込んだ。
「お腹空いてる? 何か作ろっか? 光はぁ、シャワーだな。
さっぱりしておいで。顔、ひどいことになってるよ~」
「う、ん……」
光は子供みたいに素直に頷いて、とぼとぼ歩いた。
こりゃあ~、相当なダメージがあったな。
シャワールームに向かう光の後姿を眺めながら、大きく息を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!