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冷蔵庫の中の物で、ベーコンエッグとか、サラダ&スープとか。ブランチ的なものを作って、ローテーブルの上に置いた。
「光、食べよ~、私も一緒に食べるからさ~」
声を掛けると、光は素直にテーブルに着く。
でも項垂れていて、黙ったままだ。シャワーの後の髪すら乾かしていない。
「明子……」
「ん?どした?」
光の肩が少し震えて。そして、膝の上で握ってた拳の上に、滴が落ちた。
あ~。マジか……。
私は光のすぐ隣に寄って、横から抱きしめた。
「私なら、ここにいるから。大丈夫だから。どした? 光?」
「あき、こ……。泉さんね、私が泉さんのこと、音無さんの代りにしたんだろ、って」
「はあ~? んなわけないでしょう~?」
「私、驚いちゃって……、声が出なくて。
違う、って言ったけど、声が上手く出なくて。
泉さん、泣いてた……。信じてたのに! って……」
あ~。それは、世間一般で言うところの、泉さんのものすごーい勘違いによる嫉妬。
ジェラシーってやつだね。
「明子? 私、泉さんの事、裏切ったの?
わたし、ちゃんと言えなかった。違う、って言いたかったのに……。
泉さん、私の事……、もう許してくれない……」
光は、涙を拭おうと掌を頬に当てた。
その時、私の目に飛び込んできたのは……、
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